現在、世界を巻き込んだ未曾有の出来事に、皆で立ち向かっている真っ最中ですが…。
このたび、2020年4月21日をもちまして、当店『トラットリア ベリタ』は20周年を迎える事が出来ました!!
このご時世に、これだけ長く続けられたのは皆様のおかげです!!
正直なところ、19周年の時は「あと1年で20周年かぁ」という想いが強く、バタバタと過ぎ去ってしまったイメージですが、やはり20歳となるとグッと来るモノがありますね。
こんな時ですが…。いや、こんな時だからこそ、ベリタの歩いてきた20年を振り返りつつ、20歳の誕生日をお祝いしたいと思います!!
2000年・オープン当初
お花や雑貨のショップを運営したかったオーナーと、料理を学んでいた私がコラボし、『花に囲まれたイタリア料理店』というコンセプトでスタートしたのがトラットリア ベリタ。
当時は気軽に使って頂きたかったので、重厚感のある外装にはせず、ちょっとしたカフェをイメージした軽めの雰囲気でした。
当時は、一階が『レストラン』・二階が『花と雑貨のお店』というスタイルで、お花を買いに来られた方がお食事やお茶を楽しんだり、お食事をされた方が花や雑貨を眺めたり。
当時のレストランは、お昼がパスタ・ピザを中心としたイタリアン、夜はピタや揚げ物を登場させたカフェバーのような雰囲気でした。
夜になると、スタッフによるギターの弾き語りタイムが有ったりと、昼間とは違ってお酒が進むような仕様になっていたり…。
※ここだけの話し、スタッフの弾き語りに感動して、チップを置いて行って下さるお客様もチラホラいらっしゃいました。
そして、二階の雑貨ショップでは、オーナー夫妻やスタッフがセレクトした、観葉植物や雑貨・レストランで使用している物と同じ食器などを販売していました。
また、この頃は未だ主流になっていなかったEメールを使い、登録して下さったお客様と意見を交わせる『ベリタメール』なる事も始めたり。
現在のような広告メールでは無く、どちらかと言えば日常を綴ったブログのような感覚で、色んなお客様と話す事が出来て楽しかったのを覚えています。
※数年後にはメールでの広告配信が一般的になり、それらのメールに埋もれるのが嫌で、2007年頃に配信を止めてしまいましたが…。
実は、オープンから1年半が過ぎた頃、スタッフが同時に退職(おめでたい事が重なり)してしまい、私一人になってしまうというベリタ最初の危機を迎えましたが…。
その時、「料理の待ち時間が増えても、接客に足りない部分があっても構わない!ベリタを続けて下さい!!」と、励まして下さったのもベリタメールの読者様でした。※あの時の「ベリタ号」のお客様、本当に有難う御座いました!!
2002年頃から2004年にかけて
修行時代の友人や、現在も働いて下さっているチーフの助けを受け、何とか業務を引き継ぎ営業を続けていると、嬉しい事にお客様の数も次第に増えてきまして…。
ウェイティングが出来る日も度々有り、これでは客席が足りない…。という事で、オーナー夫妻のテリトリーだった二階の雑貨を超縮小し、客席へ改装してしまいました。
更には、「ついでに外装も塗り替えてしまおう!」と、勢いに任せてパキっと目立つオレンジ色になりましたとさ…。
※二枚目の写真。ベリタの南側に駐車場があったのですが、マンションを建てるので駐車場を空けてくれ。と言われ、「駐車場どうしようか!!」と慌てたのが二度目の危機ですね…(^^;
1階はラティスを撤去し、テーブルクロスを敷いてくつろぎ仕様に。
この頃になると、夜はカフェバーといった印象では無く、照明もさほど落とさず昼と同じ料理を提供する、現在と同じスタイルになっていたかと。
そして、二階客席は…。
パテーションで区切ったペアシートに。
この当時、こういった雰囲気で個室感覚の客席が流行っていたので…。ベリタでも、二人で落ち着けるような客席を作ってみました。
この雰囲気、結構気に入ってました!!
この頃の出来事で忘れられないのは、今で言う『ゲリラ豪雨』なんですが、短時間でバケツをひっくり返したような雨が降り、中津浜線は濁流と化し、店内は雨漏りでビッシャビシャ。
ランチタイムの真っ最中に、突如として降り始めた豪雨と雨漏りで、お食事中だったお客様も濡れない場所へと非難。
初めての出来事に、スタッフもお客様も呆然とし、苦笑いしか出ない状況でした…(^^;
2005年頃から2009年にかけて
この頃になると、もう少し落ち着いた雰囲気で過ごせるようにしようと言う事で、またまた自分達で外装の塗り替え作業を実施。
ガッツリ目立っていたオレンジ色から、ナチュラルな白色へと塗り替え、テーブルクロスの色を変えたり、客席の間隔を広めに取るといった方向へ。
これは裏話になりますが、実はこの頃に結婚式場を回っていまして、こういった雰囲気でくつろげると良いなぁ…。なんて思うようになり。
自分の結婚式の二次会でも、ベリタを使えるようにと、思い切って二階席を全面改装する事に。今まで使用していたペアシートを分解し、壁を塗ったり床材を貼り替えたり。
こうした動機で改装を始めた二階席は、15年近く経った今でもご好評を頂いており、二階席を指定される御予約様や団体様のパーティーなど大活躍。
ちなみに、現在も一階席にて使用しているワインラックですが、実はコチラにも今だから話せる裏話が有りまして…。
高校時代の親友でもあり、現在は有名パティシエになっているN氏と、イベント関連の仕事をしているK氏と数年ぶりに再会し、私の結婚式の打ち合わせをしていたところ…。
結婚祝いに何が欲しいか尋ねられ、「店に置く大きなワインラック」と冗談を言ったところ、イベント関連の親友が二階にあるペアシートの柱だった木材を発見。
若い頃の勢いのまま、打ち合わせそっちのけで、明け方まで木材を切ったりビスを打ったりで完成したのが、このワインラックだったりします。※二階席の「改装開始!!」となっている写真の左奥に写っている木材を使用(笑
その後、親友パティシエが作ってくれたウェディングケーキは、実際の式場で飾ったあとベリタへ持ち帰り、入り口の付近で五年ほど展示していました。
また、この頃になると、メニューの一言コメント欄をご試食頂いたお客様に書いて頂こうと言う事で、お客様の感想&写真入りメニューが登場しました。
こんな感じで、お客様の写真(顔写真以外でも可)と、頂いたコメントを一言一句変えずに掲載。今では実現不可能に近いメニューですが、意外とノリノリでご参加頂けるお客様も多く助かりました。
これまた裏話になりますが、実はこのメニューが評判を呼び、日経レストランから取材されたり、コンサルティング会社から本の執筆やCD販売の依頼が来たり。
更には、メニューを見るため、同業の方が遠方から来られたり、中にはメニューを無断で持って帰ってしまう人も居たりで大変でした。ちなみに、この頃のドルチェは…。
が人気でした。
この中でも、クレープシュゼットはディナータイム限定で、真っ暗にして目の前で提供していたため、お客様からの人気は高かったのですが…。手間と時間が掛かり、混雑時の対応が難しくなる事もあり、次のメニューでボツに…(^^;)
そして、クリスマスの三日間(23.24.25日)が、ご予約で埋まり始めたのもこの時期。クリスマス前は、泊まり込みでビーフシチューを炊いたり、一年で一番忙しい三日間へ。
現在でも、11月中頃になるとクリスマスのご予約を下さるお客様が数組いらっしゃいますが、この頃から10年ほどは本当に大混雑で、ご予約様以外のお席がご用意出来ない日もあったり。
また、本業でも忙しい親友パティシエが、ベリタのためにオリジナルのクリスマスドルチェを作ってくれたりと、嬉しいサプライズもありました!!
更には、高額な真空調理機を導入し、様々な料理に真空調理を取入れ、味を染み込ませたり煮込みを柔らかくしたりと大活躍。
現在も行っている冷凍パスタソースの販売ですが、販売を開始したのがこの頃です。※真空調理を使い始めた事により実現しました。
こんな感じで、慌ただしく過ぎる日々の中、そろそろ気分転換したいなぁという事で、今度は少し柔らかくしようと外壁をクリーム色へ塗り直す事に。
※このタイミングで、塗り残していたオレンジもクリーム色へ。窓から身を乗り出したり長尺の脚立を使い、ドキドキしながら塗ったのを覚えています。
そして、忘れてならないのが、日向牧場さんとの出会い。
実は、配達の帰りに偶然立ち寄り、お食事の後に声を掛けて下さったのが、現在もお付き合い頂いている牧場長の日向さん。
よかったら日向牧場で作ったチーズを使い、料理を作ってくれないかとサンプルを頂き、実際に牧場や工房を見学しに行ったり。
そこで、不要な添加物を使わず、チーズと向き合われている姿に感銘を受け、以降15年近くチーズを使わせて頂いています。
偶然のような出来事でしたが、こういった方々との出会いが今のベリタを支えてくれている。本当に素敵な事だと思います!!
2010年頃から2015年にかけて
おかげさまで、その後も忙しい日々が続き、何とか10周年を迎える事が出来ました。一つの大きな節目と言う事で、これまた外装を弄る事に(笑
今まではペンキを塗り替えるだけでしたが、今回は下地のコンパネを打ち、その上から漆喰を塗ってみました。※お手軽な『漆喰うま~くヌレール』を使用。
今まで漆喰を塗ったことが無いので不安でしたが、生クリームを塗る要領と似ていたので、そこそこ綺麗に仕上げる事ができました。
窓の前に噴水も作ってみたのですが、しばらく経つと噴水の周りに人が集まるようになり、何が起きているのか分からず不思議に思っていたところ、どうやらポケモンGOの『ポケスポット』なる物に登録されていたようでして…(^^;)
外観の改装と合わせ、店内も少し落ち着けるようにと、椅子に使っている赤色のレザーを白色へと貼り替えてみたり、二階席は増席して現在の5テーブルへ。
そして、10周年の当日には、沢山の方からお祝いのお花が届き嬉しい限り。
オープン当時からチョクチョク来店して下さっていた『千堂あきほ』さんが、お祝いの色紙を書いて下さったり・直筆の手紙をテーブルへ置いて下さっていたりと嬉しい出来事も!!
この頃になると、親友パティシエが独自のレシピをベリタへ提供してくれたり、本人もコンテストや制作で大変な仕事の合間を縫って、ドルチェの仕込みを手伝ってくれたり。
定番メニューのドルチェも充実し、日によっては特別メニューで新作ドルチェが次々登場!!
明け方近くまでドルチェを作ったり、飴細工を練習したり、レシピを話し込んだりと大変でしたが、疲労感に反比例して楽しい時期でもありました。
※予約注文となるバースデーケーキも、季節やお好みによってデザインを変えたり。
また、この頃に流行し始めた『バル』を甲東園でも開催する事になり、初回という事でベリタも参加してみたのですが…。
信号を超え、近畿銀行さん辺りまで行列が出来てしまい、材料が無くなるまで丸一日ノンストップ。
ここだけの話、さすがにあの行列はトラウマになったので、申し訳ない気持ちはあったものの、翌年から参加はお断りする事に…。
そして、この頃の忘れられない思い出は、何と言っても関西テレビ『よ~いドン!』への出演。
取材当日は円広志さんが来店され、様々な出来事のインタビューを受けつつ、何故かオーナーと料理を作って競ったり。そこで、スタジオでもパスタを食べたいと言って頂き、急遽テレビ局へ出向いての料理が決定。
当日は、スタジオでもテレビ出演する事になり、石原良純さんに弄って頂いたり…(笑
そんな中、ほっしゃん。さんが美味しそうにパスタを食べ、一人前を完食して下さっていたのが印象的でした。※テレビでは映っていませんでしたが…。
まさか、こんな経緯でテレビに出る事があるとは思ってもいなかったので、純粋に忘れられない想い出となりました!!
2015年頃から2020年にかけて
10周年の頃に漆喰を塗り、外装には満足したのか、この10年は修繕を中心に微調整するだけ。※今から高い所へ上るのも怖いですし、もう自分達で塗るのは無理ですね(笑
直近の5年は、店内の壁を漆喰仕様に改修し、テーブルクロスを三色にした程度。メニューの変更もマイナーチェンジ程度で大きく変えず。
ほぼ現在の形が出来上がり、いつもの営業スタイルに。
※実は、数年前に子供が誕生し、家事に育児に仕事にと慌ただしく過ごす日々で、なかなかリニューアルまで手が回らないのはココだけの話し…(^^;)
一応、気になる点があれば、その都度修繕は行っていますが、さすがに20年経つと色んな所が傷んできていますね。駐車場の壁も、漆喰を塗り直してみたり…。
昨日の流れで、駐車場と駐輪場の案内板を貼ってある壁も、漆喰で塗ってしまう事に!!
この壁も3〜4年前に塗ったのですが、いつの間にやら雨染み等の汚れでゴテゴテ。
漆喰に少しだけ加水し、糊状にしてから地道に塗っていくと、思った以上に綺麗になりました!!👍
次は、店内の壁かな?!😅 pic.twitter.com/URevGzVNUz
— トラットリア ベリタ (@TrattoriaVerita) September 15, 2019
ここ数年での新たな取り組みと言えば、重い腰を上げてベリタのSNS『Twitter』『Facebook』『Instagram』を始めた事ですね。
大学生スタッフに教えてもらいつつ、最近はボチボチと更新し始めました(笑
トラットリア ベリタ20周年!編集後記
今回は、裏話アリのトラットリア ベリタの成長日記を書いてみましたが、思いのほか長文になってしまい申し訳ありません!!
2000年当時のフォルダを眺めていると、懐かしい写真が次から次へと出てきて、あれもこれも掲載したくなってしまいました。
当時、人気メニューだった牛肉のカルパッチョも、時代の背景と共に提供することが出来なくなり、現在は特別メニューの『ローストビーフ』という形で登場させてみたり。
オープンしてから数年後、印象深いのは関西ウォーカーの特集で、ベリタが見開き1ページを使い紹介された事。今まで読んでいた雑誌に、自分のお店が載っている不思議な感覚を体験しました。
さてさて。
この調子だと終われないので…(^^;)
毎年、誕生日には御来店頂いたお客様にプレゼントご用意致しておりますが、今年はオープン当初に販売していたクッキーを、当時のレシピのまま再現し焼き上げておきました!!
一応、数量限定で無くなり次第終了となってしまいますが、20年ぶりに懐かしい味を再現致しましたので、当時からの常連様にも喜んで頂けるかと。
最後になりますが、今回は誕生日の投稿という事で、現在の情勢や置かれている状況については書かない事にしました。
純粋に、「ベリタってこんな道を歩いてきたんだぁ」と思って頂ければ嬉しいです。
オープン当時から、ベリタの看板は皆様と共に月日を重ね、同じように歳をとっていく。これを目標に、一日一日を全力で走ってきました。
その積み重ねが、気が付けば20年に…。
長いようで、あっという間だった20年…。
これも、皆様がベリタを愛して下さり、一緒に月日を歩いて下さったからこそだと思っております。
トラットリア ベリタにご来店下さった皆様、本当にありがとう御座いました!
そして、これからも皆様と同じように歳を重ねられるよう、一日一日を踏みしめて進みたいと思います!!